令和7年5月19日(月)に、全校生徒を対象に、「若者・ジェンダーから考えるSDGs―私たちにできることー」と題し、国際連合大学上級副学長で、国際連合事務次長補を務められている白波瀬佐和子氏を講師としてお招きし、講演会を開催いたしました。
本校では、「VUCA(予測不能な解のない)時代」を生きる生徒たちに、「Think Globally,Act Locally!」を合言葉に、自分の未来と社会の未来を考え、行動できるグローバル人材を育成するための教育を行っています。
今回ご講演をいただいた白波瀬先生は、東京大学で教鞭を執られ、2021年まで同大学で理事・副学長を務められたほか、国際学術会議財務担当副会長、G7の首脳にジェンダー平等の提言を行うジェンダー平等アドバイザリー評議会の議長も務められました。
講演は、世界12か国に13の研究所が設置され、東京に本部が置かれている国際連合大学の設立の意義とその役割から始まり、日本の課題である少子高齢化、そしてジェンダーの問題について、社会学の視点からお話いただきました。
本校のテーマである「Wellbeing」、誰一人取り残さない社会、公正で安全で平等な社会をどのように実現していくのか、先生のお話を聞きながら、生徒たちは深く考えている様子でした。
また、「SDGs」についての質問には、「2030年まで達成できないかもしれないが、ポストSDGsのキーワードとして『ユース』という言葉がある。」と教えてくださいました。
「考え続けること、やり続けることの大切さ」「対話と行動」という白波瀬先生の言葉を、生徒たちは胸に、自分たち若者だからこそできることをしっかり考えている様子でした。
(生徒の感想より)
・多様性の大切さについて、理解しているつもりでしたが、そのメリットや重要性について改めて理解することができました。発展するためには、新しいものを受け入れたり、取り入れたりすることが大切だという言葉が印象に残った。(3年)
・日本ではジェンダーという言葉自体が市民権を得ていないという言葉に驚いたが、確かに、親世代より上の人たちのLGBTQへの対応を見てもその通りだと思った。私たち若者が、日本の社会を変えていきたい。(3年)
・私たちができることは実行することはもちろんですが、まずは考えてみることが大切なのだと思いました。「積極的に考え、行動することで社会的問題の解決になる」という言葉に共感しました。まずは、積極的に考えて、行動したいです。(2年)
・あさか開成に入学して、よく「ジェンダー平等」「多様性」という言葉を耳にしていましたが、「ジェンダー平等と平和を達成できた国はない」という言葉が印象的でした。ジェンダー平等を達成するためには、各個人が互いの違いを認め、考えを尊重し合い、ジェンダー平等を達成するという意識が大切だと考えました。(2年)
・あさか開成高校では、SDGsの取り組みと関連して、ボランティアや探究活動に取り組んでいます。国連大学で取り組んでいるさまざまな研究やデータを、これからの取り組みに生かしていきたいと思いました。(2年)
・多様な人を歓迎し受け入れて、一人ひとりの個性や生き方を尊重する社会を目指していきたいです。そして、対話と行動を心掛けていきたいです。(2年)
・話を聞いて、相手を知り、自分を知り、一部ハッピーではなく、みんなハッピーに最終的に誰ひとり取り残さないようにしていくことが重要だと感じた。私たちの行動で世界が変わっていく。みんなハッピーを目指して、私たち若者が行動していかなければならない。(2年)
・みんなが平等に自分らしく生きるために、私たちの意識を変えていく必要があると思いました。それぞれのスタートラインが違うことを配慮したり、多様であることの理解を深めていくことも大切だと思いました。自分にできることを探していきたいです。(1年)
・先生が初めにおっしゃっていた「考え続ける」「やり続ける」ことが、本当に大切だと思いました。簡単に解決することができないからこそ、いかに解決に近づけられるか考えることが私たちにできることだと感じました。多様性を理解して、積極的に取り組んでいけるように、基礎学力の向上だけでなく、自分から探究的に活動して、いろいろなことを知識として取り入れていきたいです。とても勉強になりました。(1年)